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村上虹郎、小泉今日子出演『シブヤから遠く離れて』上演決定!

July 26,2016 (Tue)
シブヤから遠く離れて

蜷川幸雄たっての希望で岩松了が蜷川に初めて書下ろした戯曲「シブヤから遠く離れて」の初演から12年経ったいま、満を持して岩松本人が演出を手掛け、注目を集める若手俳優 村上虹郎、初演でマリーを演じた小泉今日子が出演することが発表された。

本作はそのタイトルから、濃厚な社会派の匂いを漂わせつつも、それだけではない、人間の多面性を繊細に描き出した、青春譚であり、ラブストーリーだ。
暗い記憶の狭間を浮遊する青年ナオヤ(村上虹郎)と、全てから逃れようとする不思議な女マリー(小泉今日子)との静かな、しかし力強い愛は「椿姫」をモチーフに描かれている。04年の上演では蜷川の視覚的なアプローチが功を奏し、“自身が得意とする領域に劇世界を引き寄せた”として高い評価を得た上演となった。

岩松演出による『シブヤから遠く離れて』の上演は2016年12月、Bunkamuraシアターコクーンにて。

あらすじ
このドラマは、この邸宅に思いを残す青年と、
この建物さながら蝕まれてゆくわが身をもてあます女の、現前化しない愛の物語…。

渋谷南平台あたりの住宅地の一角に、ボストンバックをひとつ提げた青年ナオヤがどこからか姿を現す。やってきたのは、かつて遊んだ友達ケンイチの家だ。しかし、そこは真っ黒にひからびたひまわりに覆われすっかり廃墟と化していた。人が住むには荒れすぎてしまっていたが、ふと目を凝らすとケンイチの姿が。黙ってここから引っ越してしまったのを気にしてナオヤを待っていたという。その日はケンイチの誕生日。そのことを失念していたナオヤは慌てて誕生日のプレゼントを買いに行く。
 戻ってみると、ケンイチの姿はなく、代わりにウェルテルという名の小鳥を飼う女・マリーがいた。マリーはワケありの様子で、この屋敷に隠しているらしい。彼女が使っている部屋にナオヤはなつかしさを覚える。そこはかつてケンイチのお母さんの部屋で、壁にはあの頃と同じ鳥の絵が描かれていた。滅びに向かってゆっくりと変化しているこの屋敷の中でナオヤは過去をなつかしむ。ケンイチと渋谷の街を庭のように走り回った。この家にもよく遊びに来た。ケンイチのお母さんがとても優しかった。そして、ゼラニウムの華の赤さ…。
過去の記憶の洪水に襲われるナオヤにおかまいなしで、たくさんの人々が屋敷を訪れる。マリーを愛するアオヤギ、マリーがこの屋敷に来る前に住んでいたアパートの雇われ管理人フクダ、アオヤギの会社の同僚フナキ、アオヤギを田舎から心配して追ってきた父と妹トシミ。マリーの安息の地はこの屋敷の中だけだったのに、もはやそれすらも破られはじめていた。
彼らはここがケンイチの家だということを知らない。ケンイチはどこへ行ってしまったのか。
 混乱する意識の中で、ナオヤが封印していた哀しい真実が蘇ってくる。

岩松了コメント(作・演出・出演)
『シブヤから遠く離れて』は12年前、蜷川さんに演出してもらうために書いたホンです。渋谷にある廃屋の話で、僕はト書きに「ススキが繁っている」と書いたんですが、蜷川さんに「ススキじゃなくてもいい?」と言われて「いいですよ」と返事をした。何にするんだろうと思って稽古場に行ったら、黒いヒマワリが仕込んであった。その時の強烈な印象を今も覚えています。
 今回あらためて台本を読んで思ったのは、やっぱりこれは蜷川さんに演出してもらおうと思って書いたんだな、と。俺、演出できるのかな?ってちょっと不安になりました(笑)。どこかで、蜷川さんならこんなふうに演出するんじゃないか…というイメージを加味して書いているんですね。自分自身にはつかみきれないものを、意図的に書いている感覚。そういう意味では、すでに何かによって筆が操られている。これは頑張らなきゃイカンな、と思っているところです。
 マリー役は12年前と同じく、小泉今日子さんです。これはキョンキョンの舞台と言っていい、そんな気が僕はしているんですね。マリーという役は、言ってみればいくつであってもいいわけです。たとえば12年前は二宮和也くんがナオヤという相手役だったんですけど、二宮くんはもう、あの役はできない。二十歳前後で、大人になろうか、なるまいか…という年齢の子をキョンキョンが通過させていく、そういう作品構造になっている気がするので。あの時の彼女は30代でしたが、今50歳になったキョンキョンが作品の全体像をどんな色に変えていくのか、すごく興味があります。
 ナオヤ役の村上虹郎くんは、素人っぽい、手あかのついていない感じが、僕にとっては非常に新鮮でした。彼は役者として歩き出したばかりで、これからどんどん伸びていくのだろうと思います。そのエネルギーを目の当たりにすることを、僕自身の起爆剤にして、演出に挑みたいと思っています。
 コテコテの具象でもなく、まるっきりの抽象でもない。そんな混然としたものが渦巻いている世界観であり、それはすなわち今、現在を描くことにふさわしい作品であると感じています。12年前とはきっと違うものが立ち上がると思いますけど、あの時も現在だったし、今回も現在に違いない。もし10年先にまたこの作品を上演したとしても、やはりその現在を映すのだろうと思います。

村上虹郎コメント
この芝居を自分がやるんだ…と思って最初に台本を読んだ時は、正直、難しくてよくわからなかったんです。でも二回目に一つの物語として読んだら、面白さが自分の中に素直に入ってきた。ト書きもせりふも区別することなく読めて、一冊の小説みたいだな…という感覚。それが岩松さんの書くホンの魅力なのかなと思いました。
 小泉今日子さんとの共演は、良い意味で怖いなと感じています。でも実は、僕のことを子どもの頃から知ってくださっている方なので、安心感もあります。岩松さんは、面白くて、まさに“芝居の世界の人”というイメージ。岩松さんのもとで芝居をする集団に混ざれることにワクワクしています。
 二度目の舞台出演ですが、いつも初挑戦の気持ちでいます。まだまだ“初めてに驚く”ことを繰り返していたい。その“わかってなさ”がいつまで続くのか。ずっとガキであり続けるのか、大人になるのか、自分でもわからない。どっちでもいいな、と思っています。

小泉今日子コメント
もう一度観てみたい!とずっと思っていた戯曲です。岩松さんにも「やればいいのに」と何度も言っていたのですが、やっとその願いが叶いました。しかも前回と同じマリーという役を演らせて頂くことになって、とても嬉しいです。けれど、台本を読み返してみて、こんな難しい役を何も考えずにやっていたんだ…!と、怖くなりました。今回は前よりももっと稽古場で苦しむのかもしれません。
 このお話に出てくるのは、すぐにも消えてしまいそうな、その一時だけの、一過性の儚い魅力を持った若者たち。そして、年齢を重ねてすべてを知ってしまった、その葛藤を抱える大人たち。ナオヤとマリーが出会った瞬間に、二人の心に何かが生まれ、一瞬同じ方向を向く。そのドラマチックさが、たまらなく素敵に思えてしまう。12年前に蜷川さんが演出した作品を、今度は岩松さんの手で、村上虹郎さんを始めとする新しい、魅力あふれるキャストの方々とともに作り上げます。そこで起こる化学反応を心から楽しみにしています。


【作・演出・出演】
岩松了
【出演】
村上虹郎 小泉今日子
鈴木勝大 南乃彩希 駒木根隆介 小林竜樹 高橋映美子
たかお鷹 岩松了 豊原功補 橋本じゅん
【日程・会場】
2016年12月9日(金)~12月25日(日) Bunkamuraシアターコクーン
【チケット発売】
2016年10月2日(日)

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