2019年7月30日(火)から8月18日(日)に東京芸術劇場 プレイハウスにて、その後、豊橋、新潟、兵庫、熊本、北九州にて上演される、舞台「お気に召すまま」。本日マスコミ向けに公開ゲネプロが行われた。
代表者コメント
■ロザリンド 役/満島ひかり
これだけ永く愛され、たくさんの国で上演されている戯曲の言葉には、霊感が宿っているのを感じます。自分の内側からのエネルギーが、私たちを刺激している毎日です。 劇中ではかなり明け透けに、性的なことや恋することが語られますが、見て聞いている方それぞれにもきっと、違ったどきどきがあると思います(どきっとして欲しい)
■オーランド 役/坂口健太郎
3年ぶり2度目の舞台に、再び 熊林さんの演出で立てることをとても嬉しく思います。「かもめ」は初舞台で、何も持たぬまま無邪気に飛び込んでいけましたが、「お気に召すまま」は3年分の変化や成長も見せなければと思っています。性差を超えてさまざまな愛のカタチが描かれる今作、混沌としたアーデンの森で、自分が持っている肉体を、性的に純粋に駆使しながら、オーランドとして生まれてくる感情を大切に演じています。
■演出/熊林弘高
僕が演出を考える前提には、『役者の肉体』が大きくあり、作品と役に正しくはまる役者があって初めてスタートが切れるんです。シェイクスピアを演出するのは初めてです。シェイクスピアは、プロテスタントの時代に、カトリックの生まれなうえ、ゲイだったという説もある、つまり仮面をかぶって生きていた人なんですよね。だからこそ、作中で幾度も「自分とは何者か」と登場人物たちに自問させる。シェイクスピアのどこまでも続く問いかけに、いま われわれが何を感じ考えたかを提示し、あとは観て下さる方々に委ねるしかありません。お客様には存分に(舞台となっている アーデンの)森の混沌を味わっていただければと思っています。
演出を手掛ける熊林弘高は、念入りなリサーチと考察を重ねた上で、ひらめきに満ちた演劇的仕掛けをほどこし、優れた実績をあげている気鋭の演出家。2010年の「おそるべき親たち」、2015年の「狂人なおもて往生をとぐ」、2016年の「かもめ」など、作品を生み出すごとに高い評価を得てきた。そして本作は、熊林にとって初のシェイクスピア作品となる。一般的には牧歌的なユートピアとされている物語の舞台・アーデンの森を、熊林は”人間のあらゆる性的欲望がうごめく暗闇”と解釈。厳格な規範に縛られた宮廷生活から離れた森は、官能と性のカオスと化す。
そして、熊林の構想を体現するに相応しいキャストが揃った。
「かもめ」に続いて、満島ひかり、坂口健太郎、中嶋朋子、山路和弘、小林勝也と人気実力充実の面々、そして、満島真之介、中村蒼の熊林が信頼をおく若手男優陣も顔を揃える。また、初出演組としては、温水洋一、広岡由里子ら存在感ある個性派や、萩原利久、碓井将大らのフレッシュなメンバーが加わった。この顔合わせに、年齢や性別を大きくひねった、珍しく大胆な配役をほどこされる。「世界はすべて一つの舞台、人間はすべてこれ役者にすぎぬ」の名台詞で知られる厭世的な哲学者・ジェイクスの役を、まだ20代の中村蒼が演じ、萩原利久演じる羊飼いのシルヴィアスが恋するフィービーを演じるのは広岡由里子、碓井将大演じるウィリアムが恋するのはなんと小林勝也が演じるオードリー、と予想もつかないカップリングだ。
一筋縄ではいかない、意表を突く表現で知られる熊林が手がけ、存在感ある個性派から熊林作品初参加のフレッシュな顔ぶれまで多彩なキャストで贈る、これまでに見たことのない「お気に召すまま」になることだろう。