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5/19開幕!宮沢りえ主演、吉田大八 作・演出舞台『クヒオ大佐の妻』

May 17,2017 (Wed)
クヒオ大佐の妻
(C)2017『クヒオ大佐の妻』/ヴィレッヂ

『クヒオ大佐の妻』がいよいよ5月19日(金)に東京芸術劇場シアターウエストにて開幕する。
本作で主演を務めるのは、映画「紙の月」(14)で初めて吉田大八とタッグを組んだ女優・宮沢りえ。「紙の月」ですっかり意気投合し、映画撮影後も交流を続けていた吉田と宮沢が、ある時“クヒオ大佐”の話題で盛り上がったことが、企画の始動のきっかけとのこと。宮沢は「映画を観た時からありえない生き方をしているクヒオ大佐に魅力を感じていたのですが、彼が実在し、しかも奥さんがいるらしいと監督から話を聞いた時に、ものすごく自分の中でいい意味で妄想が膨らみました。そんな詐欺師を彼女はどんな風に待っていたのかなとか、どんなことを考えながら生きていたのかなとか。彼女も彼女できっと相当な女性なんじゃないのかなと、同じ女性としてすごく興味が湧きました」と語っていた。

演出には、「桐島、部活やめるってよ」(12)で第36回日本アカデミー賞、最優秀監督賞、最優秀作品賞、「紙の月」(14)では第38回日本アカデミー賞、優秀監督賞を受賞している映画監督・吉田大八が『ぬるい毒』に続き二度目の舞台作品に取り組む。また本作で、自らオリジナル脚本の書き下ろしにも初挑戦する。

今回の舞台で題材となるのは、実在する結婚詐欺師・クヒオ大佐。2009年に吉田が監督を務めた映画「クヒオ大佐」でも主人公として描かれていたことがある、謎だらけの人物だ。1970年から90年代にかけて「自分はアメリカ空軍パイロットで、カメハメハ大王の末裔でエリザベス女王の親類だ」などと偽り、何人もの交際女性から多額の金を騙し取っていたこの男。“ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐”と名乗ってはいたもののれっきとした日本人で、彼は今も日本のとある町でひっそりと暮らしている。その存在に魅かれ彼のことを追いかけていくうち、実は妻がいるらしいという事実を知った吉田は彼女のこともいつか映画にしたいと考えていたと言う。

出演はほかに、12年に第30回向田邦子賞、13年には第57回岸田國士戯曲賞を受賞している劇団ハイバイの主宰で脚本家、演出家でもある岩井秀人。劇団ハイバイの劇団員でもある川面千晶や18年公開予定の吉田作品「羊の木」にも出演している水澤紳吾ら若手注目株が、クヒオ大佐の妻を取り巻く人物として出演する。

登場人物たちの胸に潜む感情を淡々と描きながら、誰もが心の奥底に抱える闇を丁寧にあぶり出していく吉田作品の魅力が、2017年5月、再び演劇という形を使って構築され、映像作品ともまた違う生々しさで新たな輝きを放つだろう。

あらすじ

築45年のとあるアパートの一室で、一日中ミシンを踏む女(宮沢りえ)。仕立て直し、丈直し、縫い物など、若いころに身につけた洋裁の腕を頼りにし、生活を成り立たせている。その部屋に荷物を定期的に届ける、宅配便屋の男(岩井秀人)。彼は本当は作家志望で、処女作のための取材活動をするうち、女の夫が“クヒオ大佐”だという噂を耳にしていた。この近所でツケを踏み倒しまくり、そのたびに綺麗な奥さんがあちこちの店を謝ってまわっている、と。だが、女が語るクヒオは結婚詐欺師ではなく、あくまでもアメリカ空軍のジェット機を操縦するパイロットでアフガン、イラク、ソマリア、ハイチで戦い続けているために忙しくてなかなか帰宅ができないのだという。もはや既に狂気にとらわれてしまっているのか、はたまた単に嘘をついているだけなのか……? 女の話を聞いているうちに、作家志望の男の言動も徐々に変化していく。そこへさらに、新たな訪問者が現れる。かつてクヒオに騙されてすべてを捧げた女。また別の、そういう女の父親。クヒオの部下だったという男。彼らは彼らなりの理由で、その狭いアパートの一室を訪れ、クヒオ大佐の妻である女に挑みかかる。そんな中、妻がひたすらクヒオを信じて待つ気持ちが爆発的に化学反応を起こし、その部屋はさまざまな奇蹟で満ちていく……。

【作・演出】
吉田大八
【出演】
宮沢りえ 岩井秀人 川面千晶 水澤紳吾 
【日程】
2017年5月19日(金)~6月11日(日) 
【会場】
東京芸術劇場シアターウエスト

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