カナダ気鋭の劇作家、リー・マクドゥーガルの戯曲処女作『High Life / ハイ・ライフ』は1996年カナダ・トロントでの初演以来、特に欧米では数多く上演されている男騒ぎの痛快舞台。2018年4月14日(土)~28日(土)池袋のあうるすぽっとにて、出演・古河耕史、細田善彦、伊藤祐輝、ROLLYでの上演が決定した。
過激かつ反社会的な四人― ディック、ビリー、バグ、そしてドニー。彼らが会すると、いつでも違法薬物と犯罪の臭気が立ち上る。生活も人生も行き詰まって根無し草のような彼らは、ある計略を強行して大金を得ようと手を組む。それぞれがそれぞれの思惑を胸に、仲間内で繰り広げる懐柔・牽制・挑発・脅迫...。社会と常識から完全に逸脱した過激なジャンキーの生き様をフリークショウのように見せながら、絆や敬意、対立や憎しみを描いて、人間の、生の本質の一面を浮かび上がらせるドラマ。止められない、でも、脱け出したい。渇き飢えた本能は、四人を何処へと奔らせるのか……?
本作で上演台本と演出を担うのは、先般異色の音楽劇「三文オペラ」で世間の注目を浴びた演出家・谷賢一。音楽にはOpen Reel Ensembleから吉田悠・吉田匡、そしてドラムに山口元基(moltbeats)が参加。映像をDRAWING AND MANUAL 清水貴栄が担当し、谷賢一と4名のみのキャストと共にかつてない不協和音をステージで奏でる。
自由勝手な、どん詰まりでドラッグまみれのおバカな中年男たちが、ドラッグほしさに企む一攫千金。いくら失敗しようと、それでも懲りずに安易な明日を夢見てしまうオトナたちが、破滅的でありながらどこか豊かで自由にも見え、哀れでありながらも真っ当な人たちからもうらやましく見えてしまう……実力派、若手、ベテランといった個性的なキャストたちと演出・谷賢一の奇才が相まって、この春、新たな『High Life』を創り上げる。チケットは好評発売中!ほか詳細は
公式サイトへ。
◆谷賢一(演出・上演台本)
何だこれ地獄のような話だな、クソ溜め地獄を這い回るゴミムシどもが目前に垂らされた一本の蜘蛛の糸を奪い合い、結局糸は切れてしまうが、それでも俺の人生は上々、あいつらよりマシさと呟いて悦に入る。そんな話だなと最初に読んで思ったが、そんな彼らを僕は全く他人事に思わない。毎晩酒を飲み煙草を吸っている自分も哀れな薬物中毒者であることに変わりはないし、人生は地獄よりも地獄めいているとあの人も言っていた。
いや、違う、ここに描かれているのは、もしかしたら天国なのかもしれない。「あそこは地獄だ」と思って悦に入ってるのは私の方で、彼らの方が人生の喜びを生きているのかもしれない。天国を描くような舞台にしたい。
◆ストーリー
集まった男4人は孰れもジャンキー。保護観察中のディック(古河耕史)、出所したばかりのバグ(伊藤祐輝)、女性関係で追い込まれているビリー(細田善彦)、そして腎臓が一つしかないドニー(ROLLY)…… 人生に行き詰まった彼らは、一発逆転を狙って大金を手に入れようとディックが思いついた「ある計略」に乗って、銀行のATMを襲うために渋々手を組む。
ディックの期待、バグの苛立ち、ドニーの緊張、ビリーの高揚……盗難車の中で息を潜める四人のテンションが極限まで張り詰めて、一触即発の事態が。
※この物語は、違法薬物の使用等についての反社会的な思想や行為を容認するものでは決してありません。