Hey! say! JUMP髙木雄也と奥貫薫が、三浦大輔の傑作舞台『裏切りの街』に出演することが発表された。
本作は、スキャンダラスな作風、ドキュメンタリーのようなリアルさで演劇界に常に物議をかもしてきた三浦が2010年にパルコ劇場に初めて書き下ろした作品。しがないフリーターの若者が、恋人に嘘をつき、現実と向き合おうとしないまま、主婦との先のない関係をずるずると続けるというストーリーだ。
髙木は『薔薇と白鳥』(18)で同グループの八乙女光と共に主演を務め、昨年『クイーン・エリザベス-輝ける王冠と秘められし愛-』での大地真央との共演を経て、今作『裏切りの街』で遂に初の単独主演を果たす。髙木が演じるのは、これまで舞台で演じてきた役柄とは異なり、将来の展望もなく、現実から目を背けて生活する若者だ。
その相手役となるのが、数々の映像作品での活躍に加え、『トーチソング・トリロジー』(06)や『NO.9-不滅の旋律-』(18)等の舞台作品でも熟練した演技を見せている実力派女優の奥貫。日常から逃げるように、出会い系サイトで知り会った若者と不倫関係に陥る、という生々しい主婦役を担う。
【ストーリー】
無気力なフリーター、菅原裕一(髙木雄也)と平凡な専業主婦、橋本智子(奥貫薫)。菅原には長年つきあっている彼女がいて、智子には結婚している夫がいる。その二人が出会い系サイトで知り合い、出会い、恋愛をし、逢引を繰り返す。二人はお互いに何かを求めるわけでもなく、この恋愛に発展性がないこともわかっている。お互い、大切だと思えるパートナーがいるにもかかわらず、身のない「浮気」を繰り返す。会っている意味など考えず、「裏切る」という行為の罪悪感に苛まれることもなく、惰性ともいえる二人の関係は続いていく。そして、家に帰れば、お互いのパートナーに対して、別の愛情表現をする。それを壊す勇気などない。この先、自分はどうしたいのか。そんなことは考えない(ふりをした)まま、ただただ日常生活をこなしていく……。
『裏切りの街』について
三浦大輔にとって初めてのパルコ・プロデュース作品として2010年に書き下ろされた舞台作品。初演の出演者は田中圭、秋山菜津子、松尾スズキ、安藤サクラ、江口のりこ、米村亮太朗、そして音楽が銀杏BOYZ、と現在大活躍中の面々が揃っていた。2016年には、池松壮亮、寺島しのぶ、佐藤仁美、平田満ほかの出演で、三浦大輔自身がメガホンを取って映画化もされている。
【三浦大輔コメント】
『裏切りの街』、再演です。初演の舞台から10年。その間に映像化もされました。執筆していたときは、この作品とこんなに長くつきあうことになろうとは思いもしませんでした。これほど息の長い作品になったのは、多分、時が流れ、時代が変わろうとも、揺るがない普遍性が『裏切りの街』にはあったからでしょう。人間なんて、とても曖昧で、とてもぼんやりとしていて、『善』と『悪』が行ったり来たりする振り子のように、宙ぶらりんなものなのです。「まあ…いっか」の「まあ…」のとき、一瞬でもためらったなら、その瞬間の人間はとても優しい。この作品を、“何となく”人を裏切ったことのある全ての人に捧げます。
『裏切りの街』の主人公、菅原裕一は僕の分身です。いつも華やかな世界にいる髙木君が、「クズ」にもなり切れない、中途半端極まりない、どうしようもない主人公をどう演じ切ってくれるのか、何だかにやけてしまうくらい、今は、楽しみと期待でいっぱいです。
【髙木雄也コメント】
今回、舞台「裏切りの街」にて、単独初主演をやらせていただける事になりまして、三浦さんに演出してもらえるのが本当に光栄ですし、役者として新しい自分を引き出して下さるのではないかと、今からワクワクしています。
再演で凄くファンも多い舞台で、怖い気持ちもありますが、自分らしくこの作品にぶつかって、楽しみながら演じたいと思います。
【奥貫薫コメント】
今回のお話をいただき、台本を最後まで読ませていただいて、ラストシーンが本当に素敵で、あぁこのシーンを演じてみたいなぁと心が動きました。
作品にとって重要な、とても大きな役で、自分に務まるのか不安もありますが、私の心と体の精一杯で臨みます。
三浦さん、髙木さん、スタッフの方々と共に、観に来てくださる皆様に素敵な物語を届けられるよう、丁寧に稽古を積み重ねていきたいと思っています。