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法廷劇の最高傑作『十二人の怒れる男』が開幕!日本屈指の俳優が一堂に会する緊迫の会話劇!

September 13,2020 (Sun)
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シアターコクーンが海外の才能と出会い、新たな視点で挑む演劇シリーズDISCOVER WORLD THEATRE第9弾『十二人の怒れる男』が開幕。本作はアメリカの脚本家レジナルド・ローズが陪審員を務めた実体験をもとに描いたテレビドラマが原作で、筒井康隆、三谷幸喜など、日本の作家・劇作家たちにも多大な影響を与えてきた。

シアターコクーンでは2009年、当時の蜷川幸雄芸術監督による演出で上演。日本での裁判員制度が始まった年というタイミングも相まって高い注目を集め、好評を博した。ある少年による殺人事件の陪審員として集められた12人の男たち。誰もが有罪だと確信していた裁判に一人の男が異議を唱えたことから、議論が白熱していく。

演出を手がけるのは、シリーズ初登場のリンゼイ・ポズナー。演劇、オペラ、テレビドラマなど幅広く活躍する英国人演出家で、演出作『死と乙女』初演にて英国最高の演劇賞ローレンス・オリヴィエ賞に輝いた実力派。当シリーズの『るつぼ』『民衆の敵』では弱さも含めた人間くささを体現し高い評価を得た堤真一が議論の発端となる陪審員8番に扮するほか、日本屈指の俳優たちが一堂に会して緊迫の会話劇に挑む。チケット情報ほか詳細は公式サイトへ。

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《初日開幕レポート》

12人の諦めない男たち

 何が起きてもおかしくないご時世だけに本当に幕が開くのかドキドキしつつ、無事に迎えたこの初日。劇場で、ナマで、芝居を観るってこういうことだよ!とジンジン痺れている。四方を客席に囲まれたセンターステージに12人の陪審員が入ってくる冒頭から固唾を呑んでノンストップの約2時間。評決の行方を、というよりも、12人が交わす言葉と感情の応酬を、刻々と変化する人の心のあやふやさを、とことん堪能させてもらった。

 陪審員室に入ってきた時の彼らは、あくまで12人の名もなき男たちだ。陪審員番号でさえ呼び合わず、「あんた」「彼」「この方」「あなた」などのやり取りだけで、徐々にそれぞれの人生や価値観がくっきり輪郭を帯びてくる。「当たり前」に疑問を持つ男。常に冷静で論理的な男。相手を論破しないではいられない男。偏見と思い込みだらけの男。くだらないジョークで茶化す男。老いのわびしさを知る男。付和雷同の男‥‥‥

 いるいる、いるよ、こういう人たち! ちょっとした一言が誰かの感情を逆なでにし、あるいは誰かに気づきを与え、誰かの心を揺り動かす。12人が12人、適材適所としか言いようのない俳優陣の丁々発止が、とにかく見もの聞きものだ。雄弁なのは言葉だけじゃない。名刺を受け取らない。飴を渡さない。問いに答えない。落書きをする。表情で、仕草で、それぞれの人となりも相手に対する感情も、かくも鮮やかに伝わってくる。

 それにしても、人と話し合うというのはなんと難儀なことだろう。自分が生きてきた年数だけこびりついた思考や偏見は、そう簡単には剥がせない。同じ景色を見ていても抱く感慨は全く違ったりもする。主義主張の違う相手には聞く耳持たずに切り捨てがちな昨今、それがミッションとはいえ、諦めずに言葉を尽くして話し合いを続ける男たちの姿は、実に尊い。数珠繋ぎになっていく感情の連鎖は大きなうねりとなり、劇場全体が12人と共振していく。畳み掛けるような怒涛の展開、そして–––評決。ふぅ、と一呼吸置いて沸き起こった拍手は、通常の半分に抑えられた客席の切なさをはるかに凌駕する熱量だった。ああ、いい芝居を観た。満腹だ。           

文: 市川安紀(ライター・編集者)

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《ストーリー》
蒸し暑い夏の午後、一人の少年が父親殺しの罪で裁判にかけられる。
無作為に選ばれた12人の陪審員たちが、有罪か無罪かの重大な評決をしなければならず、
しかも全員一致の評決でないと判決はくだらない。
法廷に提出された証拠や証言は被告である少年に圧倒的に不利なものであり、
陪審員の大半は少年の有罪を確信していた。
予備投票が行われる。
有罪11票、無罪1票。
ただ一人無罪票を投じた陪審員8番が発言する。
「もし、我々が間違えていたら……」
陪審員室の空気は一変し、男たちの討論は次第に白熱したものになっていく……

【作】
レジナルド・ローズ
【翻訳】
徐賀世子
【演出】
リンゼイ・ポズナー
【衣裳・美術】
ピーター・マッキントッシュ
【出演】
ベンガル(1番) 堀文明(2番) 山崎一(3番) 石丸幹二(4番) 少路勇介(5番)
梶原善(6番) 永山絢斗(7番) 堤真一(8番) 青山達三(9番) 吉見一豊(10番)
三上市朗(11番) 溝端淳平(12番) 〈陪審員番号順〉
【日程】
2020年9月11日(金)~10月4日(日) Bunkamuraシアターコクーン

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