1月20日(水)に東京・本多劇場にてが開幕した山田ジャパン1月公演「優秀病棟 素通り科」主演の福田悠太(ふぉ~ゆ~)、演出の山田能龍からコメントが届いた。
公演は1月27日(水)まで上演され、初日にも行われたライブ配信は、23日(土)18時公演、千穐楽の27日(水)16時公演でも実施される。
山田ジャパンは、2008年の旗揚げから脚本家・演出家として活躍する山田能龍が、全作品を手掛けている。全世界190ヵ国に配信されたNetflix配信「全裸監督」(「全裸監督」シーズン2 は2021年配信)の脚本を、まだ日本ではなじみの薄いチームライティングの手法で作り上げて高評価を得た。
誰もが抱く不足感と、独特の哲学を絶妙なワードセンスで笑いに昇華させ、物語に展開する世界観で、ファンを増やし続けている。
最新作「優秀病棟 素通り科」は、誰もが息苦しさ、生きづらさを抱えてしまう今の時代に創出する、大人のコメディ。
主演・飯塚哲人役には、舞台やTVドラマ、バラエティ、ラジオパーソナリティなど、多方面で躍進するふぉ~ゆ~の福田悠太。そして、森一弥、与座よしあきといった劇団おなじみのゲストが出演。さらに、旗揚げから劇団に所属し、山田作品には欠かせないいとうあさこも出演している。
あらすじ
嘘みたいに馬鹿げた出会い 自らこの世を去ろうとする男と、
不運に不運が重なる初老の女
切り花を輸入する貿易会社に勤める飯塚哲人は、今、空に浮いている。人がどこにも繋がらず空に浮くのは、人生において最多でも一回だけ。そう、彼は自らこの世を去ろうとしていた...。その矢先、突然かすかな丸みと共に、ガバ!っと抱きかかえられる感覚を覚える。なんか...キャッチされた...。キャッチしたのは、やたらと人の事情に介入したがる中年女性・喜久枝。不思議な縁は転がり、哲人は悲惨な道のりを歩んできた喜久枝の人生を知ることに。一方、充実した人生を送り、周囲からも愛されているようにしか見えない哲人は、なぜそんな決断をするに至ったのか...?
摩訶不思議な逆転現象 しかしそれは、現実でもままあることかもしれない。
主演:福田悠太(ふぉ~ゆ~)
あれ?ほんとに始まるのかな?こんなに時間ってあっという間だったっけかな?という風に感じております。この話を頂いた時に自分が本多の舞台に立つのかと思い、今は本多の楽屋にいます。ちょうど一年前に長澤まさみさんが使っていた鏡前を僕が使わせて頂いてるみたいです。長澤シートです。
稽古中に、毎日持って行っていた黒豆茶を稽古の終盤追い込みの時期に台本に思いっきりこぼしました。はたから見たら楽しい。自分にしてみたら大変な話です。でも、その後の台本はいい感じの汚れ具合で味が出て、台本を凄く一生懸命読み込んでる感が出て結果オーライだなと思っています。
山田さんは物凄く超時間集中力が持つ方で本当に凄いなと毎日稽古場で感心していました。僕はそんなに集中力がもつタイプではないのでリスペクトです。ただ、山田さんの集中力が持ちすぎて稽古時間が長くて困った日もありました。このまま永遠に集中して稽古終わらないんじゃないかな?そう思ったのも稽古場のいい思い出です。
今回の稽古ではずっとマスク着用で口元が隠れていたのであくびをしてもバレないところがよかったです。この事は山田さんには伝えないで下さいます様よろしくお願いします。
脚本・演出:山田能龍
開幕に際して、大きな気持ちが二つあります。一つはここに辿り着けたことへの大きな喜びです。様々な考えがあると思いますが、やはり舞台公演を打てることへの喜びは抑えきれない。万感の思いです。もう一つはやはり、コロナウイルスへの圧倒的な緊張感です。キャスト・スタッフ・何よりお客様に対する万全の体制を敷くこと。かつストレスを与えるようなヒステリックさがお客様に伝わらない運営を心がけたいです。
稽古は基本的にすべて楽しかったです。こう言っちゃなんですが、稽古を進める過程で大変に感じること自体が楽しいといいますか。苦戦したのは、マスクで役者の顔半分が見えない状態での演出です。劇場に入るまでは、全員マスクを取らずに芝居を作ったので。うちはコメディというのもあり、「マスクの下でやってるであろう面白い表情」を逆算しながら演出するというのは、なかなか大変でした。
福田さんはとにかく信頼に足る取り組みをする男、という印象です。舞台人としての地肩、戯曲への向き合い、台詞を身体に落とす速度など文句なしです。変化は、福田くん劇団公演が初めてということで、最初はやはり僕やいとうあさこ、ゲストの与座さん森さんと打ち解けたんです。通常の仕事の感覚ですよね。でも稽古を重ねるに連れ、劇団の面々とも馴染んでいって、まるで劇団の看板役者のようになっていった。それを座組における主役の役割としてやってるのではなく、ナチュラルにそうなっていたことに驚きました。何事にも戸惑わない人だなと感じました。