三浦涼介主演舞台『オイディプス王』が7月8日に開幕、演出の石丸さち子、出演者を代表して三浦涼介、大空ゆうひ、新木宏典が取材会に登壇した。
撮影：引地信彦
稽古を経て「オイディプス王」という作品が紀元前から上演され続けている理由がよくわかりました。激動の時代を人々はずっと生き抜いてきたんだな、そして今も私たちは生きているんだなということを実感させてくれます。人間のダイナミックな心情の動きと静謐さを行き来する振れ幅の大きな芝居になっています。
ギリシャ悲劇ならではの難しくも美しい言葉が出てきますが、俳優たちの体をみて声を聞いてくださると、すべて今を生きる皆様が知っている感情であり、悲劇です。
オイディプス王は生半可なパッションや努力ではできない役ですが、そこに誠実に向かい合ってくださる三浦涼介さんがいて、そして周りを支えてくださる俳優が盤石の布陣です。16名のコロス達もまた長い稽古を経て、個としても、そして助け合う一つの集合体としても魅力的で、とても素敵になりました。
この作品は、本当に人間のギリギリのところまで見せてくれる芝居だと思います。美しいオイディプス王が、ギリギリところまで行って崩れる……この先は言わないでおきます(笑)。
祈りにも似た作品だと思っています。どうぞ、劇場に足をお運びください。
三浦涼介
ついに初日を迎えます。この1ヶ月で役と向き合ってきて、本当にたくさんの愛をスタッフ・キャストの皆さんからいただいてきました。
これまで、素晴らしい先輩方が演じられてきたオイディプス王という役ですが、僕らしさの出るオイディプス王で、皆様に愛をお返ししていきたいと思っています。
お客様の愛を感じながら、僕が人生をかけて、このオイディプス王と向き合っていきます。愛をもって、愛をこめて、強い想いで、千穐楽まで、精一杯頑張っていきますので、ぜひ劇場へお越しください。
大空ゆうひ
ギリシャ悲劇の最高峰と称されるこの作品に挑戦できることをとても嬉しく思っています。お話をいただいた当初は、この作品にどう挑もうかと考えましたが、物語に入ってセリフを発した時にその疑問はなくなりました。
人間の根底にある生命力がすごく湧き上がり、ジェットコースターのように進んでいく力のある作品だからこそ、紀元前から続いている証なのだと感じています。
悲劇ではありますが、エネルギーを体験、体感していただければ嬉しいです。
私たちが、今、創り上げるこの『オイディプス王』を千穐楽まで、毎日新鮮にお届けしていきたいと思っています。
新木宏典
紀元前から今でも上演されている作品がこうして形になって届けられていることが最高峰のギリシャ悲劇と呼ばれる証であると思っています。
視覚的に激しいわけではなく、静かに事が進んでいく物語ですが、その分僕たち俳優が内に秘めている感情は熱いので、その静かに熱く燃えている作品を楽しんでいただきたいです。そして、僕らからあふれた汗と共に、皆様の心も浄化されていくと思います。
芝居ができることに感謝しながら、この素晴らしい作品を皆様にお届けします！
パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念『オイディプス王』
作：ソポクレス
翻訳：河合祥一郎
演出：石丸さち子
【東京】2023年7月8日(土)～7月17日(月・祝) パルテノン多摩・大ホール
【兵庫】8月19日(土) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
パルテノン多摩リニューアルオープン1周年記念『オイディプス王』公式サイト
