(写真左から)浜中文一、市川美織、朝海ひかる、渡辺いっけい
英国の著名な劇作家で『アマデウス』や『フォロー・ミー』など映画化された作品も秀逸なピーター・シェーファーによって生み出された戯曲 『ブラック・コメディ』。1965年にロンドンで初演され、その後世界各地で上演。日本では1970年に劇団四季で初演された。
劇中、室内の電灯がついている設定のときは舞台上を暗く、停電の設定のときは舞台上を明るくするという、明暗が逆転したユニークな手法を採用。停電中のパニックを視覚的に際立たせるとともに、登場人物たちの隠された本音や嘘を見事に表現し話題を呼んだ。
今回主演を務めるのは、舞台俳優としてジャンルを問わず八面六臂の活躍を見せる浜中文一。これまで挑戦してきたコメディ作品では共演者から太鼓判を押されるほど演技力に定評のある浜中が今作で演じるのは、愛する女性と富を一挙に手に入れるべく画策する若手彫刻家ブリンズリー。突如起きた「停電」という不測の事態と、暗闇の中で次から次へと押し寄せる難題の数々に奮闘する主人公をユーモアたっぷりに演じる。
そして、元AKB48/NMB48で現在はレトロポップユニット・FANCYLABOのメンバーとしてアーティスト活動するほか、多数の舞台にも出演する市川美織が、ブリンズリーの婚約者キャロルを演じる。
また、元宝塚歌劇団トップスターで退団後は名作ミュージカルやストレートプレイに出演し、身のこなしの美しさと確かな実力を備えた朝海ひかるが、ブリンズリーと同じアパートの上階に住む女性ミス・ファーニヴァルを、劇団☆新感線や状況劇場を経てドラマや映画で活躍、今や名実ともにベテラン俳優の渡辺いっけいがブリンズリーの婚約者キャロルの父親で厳格な性格のメルケット大佐を演じる。
上演台本・演出として挑むのはヨーロッパ企画の大歳倫弘。映像や舞台の話題作で作家、演出家として活動する大歳が、この型にはまらない異色作にどのように立ち向かうのか。「ブラック=暗闇」の中で繰り広げられるトラブルの連鎖とそのテンポ感、そして翻弄される登場人物たちの滑稽さに思わず吹き出してしまうこと間違いなし!抱腹絶倒コメディに期待が集まる。
あらすじ
主人公ブリンズリーは無名の若い彫刻家。
ある晩、彼は留守中の隣人ハロルド宅から数々の調度品を無断で借用。
フィアンセであるキャロルの父親と、大富豪の美術コレクターゲオルグを自宅に招き、これらの品々が自らの作品であるかのように仕立て、一挙に富と愛する女性を手に入れようと企てる。しかし突然停電が起きて・・・!
次から次へと訪れる来客たちと繰り広げられる受難の数々、ブリンズリーはこの危機を乗り越えられるのか?!
コメント
大歳倫弘(上演台本・演出)
停電の暗闇が引き起こすトラブルによって、ブリンズリーの人生をひっくり返そうという計画は狂い、彼は窮地に陥っていきます。その様子は時に滑稽にも見えますが、どんな状況になっても「なんとかしよう!」と立ち向かう様に、僕はグッとくるものがありました。
僕は、人生で一度くらい、危険でヤバそうな暗闇に向かって突き進んでいい、と思うタイプです。
1969年に初演が行われてから、世界中で幾度となく再演を重ねられている今作品ですが、今の日本を生きる我々だからこそ、そのテーマや状況も理解しやすく、身近に感じられる部分が多いように思います。ぜひ、皆さんも共に暗闇に立ち向かいましょう。
浜中文一
舞台「ブラックコメディ」に出演いたします、浜中文一です。
ブラックコメディという言葉が大好きなのですが、そのまま舞台のタイトルになっているこの作品は僕の大好物です。
個人的には、渡辺いっけいさんと共演したいなと思っておりましたので、それもすごく楽しみです。
暑い時期ではございますが、皆様劇場でお待ちしております。
市川美織
はじめまして、舞台「ブラックコメディ」に出演させていただくことになりました市川美織です。
私はコメディが大好きなので、思う存分楽しみたいなと思います♪
また、この戯曲に設定されている照明のギミックはとてもユニークで、どのように演じられるかとてもワクワクしています!
皆様に劇場でお会い出来ることを楽しみにしております。
ブラック・コメディ
原作:ピーター・シェーファー
上演台本・演出:大歳倫弘(ヨーロッパ企画)
出演:浜中文一、市川美織、朝海ひかる、渡辺いっけい 他
2024年8月17日(土)~9月1日(日) IMM THEATER
『ブラック・コメディ』公式サイト
『ブラック・コメディ』公式X