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May 16,2022 (Mon)
ダブル・トラブル
ミュージカル「ダブル・トラブル」は、ボブ&ジムのウォルトン兄弟によって書かれた抱腹絶倒のミュージカルコメディ。

作詞家のボビー・マーティンと、作曲家のジミー・マーティンの兄弟2人が、ハリウッドのメジャームービーの曲を書くという大チャンスをつかむ!が、与えられた時間はたったの数時間、気に入ってもらえなければ即クビ!恋に仕事に大奮闘!果たして兄弟の運命はいかに…

本作の出演者は2名のみ、演奏はピアノだけ。歌って踊って曲を書くボビー&ジミー兄弟を演じながら、映画会社の社長や秘書、演出家、司会者、スター女優など…次から次へと現れる登場人物、およそ10人もの人物をたった2人で演じる。

2021年にはダブルチーム編成で、異なる劇場で同じ作品を同時期に上演する、という意欲的な挑戦を果たし、大好評のうちに幕を閉じました。そして早くもこの夏に、新たなキャストを迎えパワーアップして帰ってくる。 2022夏Season Aのメンバーはミュージカルからストレートプレイまで数々の舞台に引っ張りだこの浜中文一、聴く人を魅了する歌声を活かしミュージカルを中心に活躍する相葉裕樹、テノールからハイトーンまで音域を自在に操る日野真一郎(LE VELVETS)。翻訳・訳詞は今作で第14回小田島雄志・翻訳戯曲賞(2021年)を受賞した高橋亜子、演出は、従来の“演劇”の概念を超え新しい挑戦に挑み続けていることから、「第27回 AMD アワード」を受賞し、ミュージカルやストレートプレイ、ライブ演出など、ジャンルレスな活躍をみせるウォーリー木下が務める。多種多様なジャンルで活躍するスタッフたちが、舞台の表も裏も大忙しの極上のミュージカルコメディを創り出す。


【STORY】
ミュージカル映画の曲を書くという大ブレイクのチャンスをつかんでブロードウェイから夢のハリウッドへやってきたのは、作曲家の兄ジミーと、作詞家の弟ボビーのマーティン兄弟。
舞台はこれから二人の仕事場となるリハーサルスタジオのバンガローだ。
しかし、曲作りのために社長のガーナーから与えられた時間はたったの数時間!
しかも、楽曲が気に入ってもらえなければ、即クビ!!
そこに代わる代わるやって来るのは、社長秘書のミリー、年老いた音響技師ビックス、インターンのシーモア、
エージェントのクイックリー、セクシーな美女レベッカなど…個性溢れる人物たち。
ときに協力し、ときに喧嘩して、仕事に恋に奔走するマーティン兄弟。
2人は無事に成功をおさめることができるのか…!?

【演出:ウォーリー木下コメント】
この二人芝居を昨年上演したときに、確かに、いろいろなキャストの組み合わせで見てみたいと思った。それがこんなにも早く実現することに驚いている。ミュージカルであり、コメディであり、ひとり何役もこなしたり、たくさんの見せ場があるこの作品のエンターテインメントの「強さ」は、いつの時代にも楽しんでもらえる普遍性がある。それなのに演じる役者によって全然違う面白さを感じてもらえるだろう。

【浜中文一コメント】
久しぶりにタップダンスという壁に立ち向かう日々が始まりそうです。
2人芝居で、入れ替わり立ち替わり色んなお芝居を出来るのが楽しみです。
初めての方々ばかりなので早く仲良くなって助けてもらえるように頑張ります!
お楽しみに。

【相葉裕樹コメント】
作曲家の兄ジミー役を演じます。相葉裕樹です。2人で10役以上を演じるという大変な事に挑戦させて頂けるという事で、どんな景色が待っているのかとても楽しみです。ミュージカルコメディですので、皆様と一緒に楽しんで頂けるよう精一杯努めてまいります。劇場でお待ちしています。

【日野真一郎(LE VELVETS)コメント】
キャストが、たった2人で目まぐるしく10人以上もの役を演じていくこのミュージカル。
前回の公演を観た時、冒頭からノンストップで続いていく役者2人の掛け合い、歌、踊りに
魅了され、観劇後に放心状態になるぐらい圧倒された作品です。
そんな作品に出演できる事を嬉しくもあり不安でもありますが、まだ出逢った事のない新たな自分に
会えること、未知なる挑戦を楽しみたいと思います。
ウォーリー木下さんの演出のもと、抱腹絶倒なハチャメチャコメディーミュージカルをお届けします。
皆さま、この夏劇場でお会いしましょう!


【脚本・作詞・作曲】ボブ・ウォルトン&ジム・ウォルトン
【翻訳・訳詞】高橋亜子
【演出】ウォーリー木下
【音楽監督】落合崇史/大塚茜
【振付】TETSUHARU タップ振付:本間憲一
【出演】浜中文一 相葉裕樹 日野真一郎(LE VELVETS) 横山賀三
【日程】2022年7月28日(木)~8月14日(日)オルタナティブシアター
【チケット発売】2022年6月26日(日)


ミュージカル『ダブル・トラブル』サイト

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May 13,2022 (Fri)
『クランク・イン!』

10月7日(金)~30日(日)まで東京・本多劇場、その後静岡、大阪、愛知にてM&Oplaysプロデュース『クランク・イン!』が上演される。

日本のチェーホフと呼ばれ、人間の内部で無意識に動く感情を説明的なせりふを排し、物語の核を隠しながらもリアルに生々しく描き出すことに定評のある劇作家であり演出家岩松 了の新作『クランク・イン!』。
ある映画監督の妻と、その監督の愛人であった女優という、かつて一人の男をめぐって憎みあった二人が、時を経て共感とも友情ともとれる感情を抱いていく様を、ダイアローグのような朗読劇のような、モノローグで築かれる回想ドラマとして描き評判を呼んだ『そして春になった』(2020年上演)。この『そして春になった』を下敷きに、映画製作の現場で繰り広げる、ある新人女優の死をめぐる映画監督と女優たちの愛憎と葛藤を悲喜劇として描かれる。

女たちに追いつめられる映画監督で、本作唯一の男性出演者には、確かな演技力でシリアスからコメディまで多彩に演じ分ける眞島秀和、強烈な存在感を放つ女優ジュンには、役柄同様に数多くの映像作品で様々な表情を魅せる吉高由里子、ジュンの存在に追い込まれていく主演女優には、これまで数多くの演劇賞を受賞してきたベテラン秋山菜津子。更に伊勢志摩、富山えり子、石橋穂乃香と個性派キャストが結集した。

■あらすじ
1人の新人女優・堀美晴が亡くなった。そのために暗礁に乗り上げていた映画の製作が、全員の「この映画を完成させなければ!」という思いで、クランクインの時を迎えた。

堀美晴の葬儀は撮影所内でごく内々にすませられた。監督の別荘の湖に溺れて死んだ事故となっていたが、真相はよくわからないままだったのだ。事故ということになっていたが、彼女が事故当時もっていたはずのお気に入りだったポシェットが見つからないことなど、本当に事故なのか、あやふやな状況だった。しかし、映画を完成させるために、動き出さなければならない。そんな状況下での撮影だったため、監督・並木顕之(眞島秀和)の殺気だった緊張感に満ちた指揮ぶりは常軌を逸していると言ってもよかったろう。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの主演女優・羽田香織(秋山菜津子)にも容赦ないダメ出しが飛ぶ。そんな中、プロデューサーの紹介でそれなりの役に抜擢された女優ジュン(吉高由里子)が徐々に存在感を増してくる。

撮影のために世間から隔絶された場所で、主演女優、マネージャー(富山えり子)、ベテラン女優(伊勢志摩)、若手女優(石橋穂乃香)、それぞれの思惑と、監督への愛憎が次第に彼を追い詰めてゆく――。
堀美晴は殺されたのか、だとしたら誰が彼女を殺したのか、、、映画の現場は次第に混沌としていき、そしてやがて悲劇的な結末を迎える―――。

■作・演出 岩松 了コメント
2020年の12月に上演した『そして春になった』という女性の二人芝居をベースに、男性一人が女性に囲まれるという構成で、映画の撮影現場を舞台にその後の物語を作りたいと思いました。眞島さんは予定していた別の作品がコロナ禍で中止になってしまったので、作品作りを実現したかった。これまでしっかりと仕事をこなして、厚みがある役者さんなので、この役は眞島さんに合うと思ってお願いしました。吉高さんは、デビューしたばかりの頃にドラマで共演しているのですが、その時の印象が強く、いつか自分の作品に出て欲しいと思っていました。男気がありそうで、稽古が楽しみですね。秋山さんはとても信頼している役者さんで、今回は意地悪な役をやってもらいたいと思っています。またご一緒したいと思いながら、15年ぶりになってしまいました。
今回は、ちょっと変わった美術を考えていて、演劇を見たことがない人にも楽しんでもらえると思います。とにかく見に来てほしいですね。

■眞島秀和コメント
久しぶりに舞台に立てるという喜びと不安、そして楽しみだなぁという気持ちが同時進行しております。
岩松さんとは俳優として何度も共演させていただいていますが、演出と演者という立場になった時にどうなるのか、これもやはりワクワクする気持ちと、ビビり倒している気持ちが同時進行しております。
久しぶりに本多劇場に立てることが決まりました。見応えのある作品をお届けします!よろしくお願い致します!!

■吉高由里子コメント
舞台は3回目の挑戦になります。出演が決まった時も今も、まだ手元に本がないので少し先の未来を想像する日々を、ソワソワしながら過ごしています。
どんな世界が見えるのか、どんな感情が揺さぶられるのか。まるで部活動のように毎日顔を合わせて、一から作品を作り上げていく時間がスタッフさんと共演者さんとどんな仲間になっていき、そこにはどんな日々が待ち構えているのか……。不安もたくさんありますが、皆さんと一緒に楽しい日々と学ぶ日々を満喫したいなと思います。よろしくお願いします。

■秋山菜津子コメント
岩松作品に呼んでいただくのは、2007年の「死ぬまでの短い時間」以来15年ぶりです。その間、岩松さんとは別作品の舞台で共演させていただいたり、劇場でばったりお会いすることもあり、そんなに時間が経っていたとは思いませんでした。もちろん、今回は出演が決まり、とても嬉しかったです。岩松作品の魅力は、
私などが簡単には語ることはできませんので、独特の空気感をどうか劇場で皆さんに感じていただければと思います。この共演者、スタッフの皆さんとどのような作品になるのか、楽しみにしていて下さい!

【作・演出】岩松 了
【出演】眞島秀和、吉高由里子、伊勢志摩、富山えり子、石橋穂乃香、秋山菜津子
【東京】2022年10月7日(金)~30日(日) 本多劇場
静岡、大阪、愛知公演あり

M&Oplays公式サイト

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May 10,2022 (Tue)
1
撮影:細野晋司

『セールスマンの死』(ピューリッツァー賞・トニー賞受賞)、『るつぼ』などで有名な、20世紀を代表するアメリカの劇作家アーサー・ミラーの代表作の1つとされる戯曲『みんな我が子』。1947年にアメリカ・ブロードウェイで初演され、第1回トニー賞を受賞、その後世界各国で上演、1948年と87年には映画化もされました。近年では、2019年にイギリス・ロンドンで上演、同年ブロードウェイでのリバイバル公演は、第73回トニー賞の演劇リバイバル作品賞を受賞するなど、初演から70年以上の時を経ても色褪せることなく、世界中で上演され続けている。

第二次世界大戦後の一見円満そうなとある家族の葛藤と崩壊が描かれ、悲劇的なラストに至るまでにこめられた胸に刺さる台詞の数々が今もなお多くの観客の心を揺さぶる本作。幸せをつかむためのとある選択が、人生を狂わせ、家族を崩壊させる。アメリカの片田舎に暮らす家族と隣人、そして友人家族に起こる一日の物語を実力派キャストが結集し上演する。

家族のためにただひたすらに生きる父ジョー・ケラーには堤真一。戦争から戻らない次男ラリーの無事を信じ、家族を愛する母ケイトには伊藤蘭。ケラー家の長男クリスには森田剛。ラリーの婚約者アンには西野七瀬。アンの兄ジョージには大東駿介。そして、ケラー家の隣人ドクター・ジムには山崎一と、日本屈指の俳優陣が顔を揃えた。文化や言葉の壁を乗り越えて、上演され続ける家族の物語が、ついに幕を開ける。チケット情報ほか詳細は公式ページへ。

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◎リンゼイ・ポズナー(演出)
私のプロセスは、まずかなり長い時間をかけて俳優の皆さんとひとつひとつの台詞について1行ずつ、ト書きも含めて心理的動機や社会・歴史的背景を話し合います。それからきめ細かく、何度も短いセクションを繰り返しながら立ち稽古をし、最終段階になったら通し稽古を行います。このような進め方が初めての方もいらっしゃったと思いますが、皆さんとてもオープンで私のやり方をすぐに理解し対応してくださり、クリエイティブで心がひとつになる関係を築くことができたと強く感じています。
個人、そして社会全体に対する罪の意識と責任というテーマを扱っているアーサー・ミラーの素晴らしい戯曲を日本で演出できることは本当に名誉なことですし、学びの多い経験となりました。またこの戯曲は、家族の肖像と家族が抱える問題を見事に描いており、これは普遍的に理解されるものであると信じています。私たちのプロダクションが、ご覧になる観客の皆様の心を深く動かし、そして個人と社会における責任の本質について問い直すものになることを願っています。

◎ピーター・マッキントッシュ(美術・衣裳)
来日することができなかった「十二人の怒れる男」(20年上演)を、コロナ禍の最中にもかかわらず上演できたこと、困難を乗り越えてやり遂げたことは、信じられないほど感動的でした。あの経験も、かけがえのないものだったと思います。
今回の「みんな我が子」においても、創作過程の一部はリモートで行いましたが、来日できて非常に嬉しく思っています。もし来日が叶っていなかったら、成し遂げることができなかったことも出てきていたことと思います。リモートで行った作業を、来日後にやり直さざるを得なかった部分もありますが、皆さん果敢にチャレンジしてくださっているので、とても充実しています。日本のカンパニーの皆さんは本当に全力を尽くしてくださっていて、共に楽しい時間を過ごすことができています。全ての要素が極めて美しく仕上がり、素敵な作品を創り上げることができました。
俳優の皆さんの演技には目を見張るものがあり、ご来場いただく皆様には素晴らしいひと時をお過ごしいただけると思います。どうぞお楽しみください。

3

◎堤真一
やればやるほど難しい台本だなと感じます。ジョーは学もなく単純な人間で、想像力もない。戦場は経験しておらず、戦争はあくまで“外”で行われていることで、人の命に対する感覚が薄れている。最初に台本を読んだ時は「なんて酷い父親だ!」と憤りを感じましたけど、役柄を理解すると、そのどこがいけないんだ?という彼の主張もわからないではないんです。ジョーを演じる上で、落ち着いた強い父親でありたいとは思うものの、声や身体の使い方も含めて、今までにない挑戦です。この強烈な自己主張に満ちた人間を、一見“正しく見える人間”にできるように創り上げたいと思います。
それにしてもアーサー・ミラーはやっぱりすごいなと。いかに人間が完璧じゃないかということを突きつけられますね。人は時に自分を正当化しながら生きるものであり、直接・間接に人を巻き込む戦争がいかに馬鹿げたものかも痛感させられる。この父親も観る人によって意見はさまざまでしょうけど、ひと色ではない思いを持ち帰っていただけたらと思います。

◎森田剛
会話のスピード感、人物たちの思考がものすごい速さで動いているので、その言葉のキャッチボールはとても演劇的だなと思います。言葉と腹の中で思ってることが全然違う、そんな人がいっぱい出てくる話なので、観る人によって解釈も違ってきますよね。笑っている人の腹の中には絶対にその反対があるな、と思って見ちゃうけど(笑)、意外にそのまんまの笑顔の人だったり。また、怒りの感覚を相手に向けて発散するのと、自分に向けて発散するのでも、見え方がずいぶん違って来る。そういう意味では、クリスはどう見られるんだろうな、という楽しみもあります。
稽古が苦しくて逃げ出したくもなりましたが、でも忘れちゃうんですよ。舞台ってそんなものかもしれない。いいことばかり残って嫌なことは忘れちゃう。クリスとして生き生きと、真っ直ぐに立つ自分を想像して、そこを信じてやるしかないなと思っています。

◎西野七瀬
海外の戯曲、海外の演出家さん、共演させていただく皆さんも初めての方が多く、初めての経験ばかりです。自分の幸せを実現するために、やむを得ずとはいえケラーを追い詰めるきっかけを作るのはアンです。台本を読む前までは、こんなに物語の鍵を握る役割があるとは想像していませんでした。
どうしてこれほど贅沢で素晴らしいお話をいただけたのだろう?と思う一方で、難しい挑戦の方がやりがいがあるということは今までの経験上わかっていました。毎回葛藤しますが、安定の道には行きたくないタイプで、どうしても難しそうな方に興味を引かれてしまう。挑戦は大好きですね。実際はめちゃめちゃ弱音を吐いていますが(笑)、とても充実しています。
生の声でちゃんと客席に届けられるのか、もっと細かくリンゼイさんのリクエストに応えたいのに全然できていないところなど、考えなければいけないことばかりで頭が一杯一杯ですが、挫けずにこの壁を乗り越えていきたいです。

◎大東駿介
リンゼイさんの演出は面白いです。丁寧に、丁寧に進めていくので、発見がすごく多いんです。こうしてとことん繊細に台本と向き合える時間をもらえたことは本当にありがたいし、演劇はこうして作られるんだ!という楽しさを実感できて、すごく嬉しいですね。
この戯曲を最初に読んだ時、いち家族の出来事のなかに、その時代の痛みや悲しみ、そこから先に進もうとする人間の強さみたいなものをすべて見せていると思って、とんでもない重圧を心に感じたんです。その圧の強さをしっかりと舞台の上に表せられるようにしたいですね。ちゃんとその時代の風が、劇場に吹けばいいなと。今、本当に戦争の最中であるという現実、ニュースの映像に対して、どこまで僕らがリアリティを感じられるのか……といったことも考えずにはいられません。それでも僕たちは生きていく、そうした小さな、灯火みたいな命のエネルギーに、向き合える時間になればいいなと思っています。

◎山崎一
ミラー作品は「これでもか!」としつこいぐらいに打ちのめされるようなところが面白いと思える人と、そこが苦手な人と、二手に分かれる気がします。僕はこのヒリヒリする感覚が好きですね(笑)。それにやっぱり構成が上手いんですよ。サスペンスめいた部分もありつつ、でも全てが理詰めで成立しているわけじゃない。すごく曖昧な部分も残されている。
おそらくケラー家っていい家族だと思うんです。でも一つの嘘だけが重くのしかかっている。もちろんそれは許されないことだけれど、寛容な心を持って見るならば、その一点のみで友達関係を壊すことをしなかったんじゃないかな。加えて、戦場を経験しながらピュアな心を持ち続けているクリスの存在もジムの心を動かしたんじゃないか……と、勝手に解釈しています(笑)。ジムは知的で、ちょっと皮肉ったジョークも言い、周りが見える人物。ユーモアがありつつも視野が広く、やさしい眼差しを持っている、そんな風にできればいいなと思っています。
奇しくも今、ウクライナで戦争が起きて、現実と作品がリンクしています。戦争で犠牲になるのは誰にとっても「我が子」なのにと思ってしまいますね。

◎伊藤蘭
繰り返し台本を読んでみると、登場人物一人一人の悩みや葛藤に改めて惹きつけられます。一日に凝縮された中で濃密すぎる出来事が起きていきますが、時に滑稽でもある人物たちが愛おしくなってくるんです。心理的サスペンスのような側面もありつつ、そんな風にそれぞれの人間らしさが浮き出てくるところが、このお芝居が長く愛されてきた理由ではないかなと思っています。
強烈な個性の母親役は色々と経験してきましたが、ケイトはひときわアップダウンが激しくて、まるでジェットコースターみたい(笑)。精神的に不安定な人のように見えて、並外れてエネルギーが大きい人だと思います。彼女の判断や深謀は自分でも言う通り愚かかもしれませんが、最後まで揺るがない夫婦の結束、夫に対する愛情という一点は大切にしたいです。
ケイトとしては子供たちに愛情を分け与える一面と、感情が沸騰して心の奥底が覗く部分と、メリハリをつけて表現できればと思います。

4

あらすじ
第二次世界大戦後のアメリカ。
戦争特需で財をなしていたジョー・ケラー(堤真一)は、
一家で幸せそうに暮らしていた。
隣人の医師ジム(山崎一)とも良好な関係だ。
しかし妻ケイト(伊藤蘭)は戦場から戻らぬ次男の帰りを
今も待っている。
そこへ次男の婚約者アン(西野七瀬)が訪ねて来た。
ケラー家の長男(森田剛)は密かに彼女に想いを寄せている。
さらに現れたのはアンの兄ジョージ(大東駿介)。
彼の訪問はケラー家が抱える過去の闇を焙り出し――。

5

【作】アーサー・ミラー
【翻訳】広田敦郎
【演出】リンゼイ・ポズナー
【美術・衣裳】ピーター・マッキントッシュ
【出演】堤真一 森田剛 西野七瀬 大東駿介 栗田桃子 金子岳憲 穴田有里 山崎一 伊藤蘭 他

【東京】2022年5月10日(火)~30日(月) Bunkamuraシアターコクーン
【大阪】2022年6月3日(金)~8日(水) 森ノ宮ピロティホール

『みんな我が子』-All My Sons- 公式ページ

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