(左から)いしのようこ、榎木孝明、渋谷天笑、河合郁人、惣田紗莉渚、辰巳雄大、純名里沙
河合郁人(A.B.C-Z)が初単独主演となる舞台『トリッパ―遊園地』の製作発表会が昨日都内で行われ、共演の辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、榎木孝明、渋谷天笑(松竹新喜劇)、純名里沙、いしのようこ、惣田紗莉渚(SKE48)らが登壇して意気込みを語った。
同作品は、デジタルが主流の現代と、1944年の第二時大戦中が入り乱れるタイムスリップもの。さびれた遊園地の経営改革に乗り出す主人公がひょんなことから戦時中にタイムスリップしてしまい、その中で変わらないもの、変わりゆくもの、変えたくないものに気付いていくという物語。
90年続いたものの、今は廃れてしまった山ノ内遊園地の経営転換を迫られている主人公の社長・山ノ内マサヒロ役に、ドラマ、バラエティ、舞台とオールマイティな才能を見せる河合郁人(A.B.C-Z)。マサヒロがタイムスリップした先の戦時下で山之内遊園地を営む社長の弟、ショウヘイ役に、舞台での活躍が目ざましい辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、遊園地の整備士として働き、長年変わりゆく時代を見てきた寅吉役に、ベテランの榎木孝明など、個性豊かなキャストが並ぶ。
戦時下にあっても運営を続けた遊園地と、その遊園地で楽しんでいた人々の生活を描きながら、現代でも大事な何かを浮き上がらせていく舞台だ。
本作はストレートプレイだが、歌やダンスなどが堪能なキャストたちが集結している。記者からその点について質問が飛ぶと、演出の川浪ナミヲ(脚本家名:せきどみきのぶ)から「無論です。ミュージカルや音楽劇などまではいきませんが、個々のポテンシャルは十分に発揮いただこうと思っています」と、本編で歌やダンスなども披露することが公表された。
舞台は3月15日(金)~23日(土)新橋演舞場を皮切りに、3月30日(土)可児市文化創造センター、3月31日(日)豊田市民文化会館、4月3日(水)~7日(日)大阪松竹座で公演される。チケットの一般発売は各会場とも1月20日から。ほか詳細は
公式サイトへ。
▼ストーリー
2019年、ここは90年続く老舗の山ノ内遊園地。IT化が進んだ今の世の中に取り残され、社長である山ノ内マサヒロ(河合郁人)の一存で、リゾート施設ビルへの経営転換が進められている。遊園地で時代の変遷を見守って来た整備士の寅吉(榎木孝明)の勧めで、マサヒロがしぶしぶ遊園地のシンボルである観覧車に乗り込もうとすると、そこにマサヒロと瓜二つの男が現れる。男は太平洋戦争末期、南の島で戦死したマサヒロの親戚、山ノ内正彦。男に「身体を貸せ」と言われると、ほどなく勝手に体が動き出し、観覧車に乗ると、雷鳴が……
マサヒロが目を覚ますと、そこには閉園しているはずの遊園地で人々が楽しんでいる。従業員もなぜか知らない顔ばかり。そんな時、空襲警報が鳴り響く。ここは、太平洋戦争真っ只中、1944 年の山ノ内遊園地だった。
マサヒロは、この遊園地で瓜二つの山ノ内正彦として生きていく。統制が厳しい戦時中でも、なんとか遊園地を運営しようとする経営者のマツジ(渋谷天笑)と妻のユキ(純名里沙)。戦時下でも経営を続けている遊園地、そして一向に自分の元に召集令状が来ないことに疑問を抱く、マツジの弟・ショウヘイ(辰巳雄大)。そして、遊園地を彩る活弁士トメ(いしのようこ)やその娘ハル(惣田紗莉渚)たちとの関わりから、マサヒロは遊園地のあるべき姿、人々が楽しめる場所の大切さに気づき始める。
しかし、終戦間近となったころ、ショウヘイにも遂に赤紙が届き、マサヒロは遊園地を託される。ショウヘイが出征して数日後、鳴り響く空襲警報の中、遊園地とみんなを守ろうと奮闘するマサヒロの決断は……