深作健太、西岡德馬、新納慎也、音尾琢真が登壇!『スルース~探偵~』合同取材会!!
November 16,2016 (Wed)
パルコ・プロデュース公演『スルース~探偵~』の合同取材会が行われ、演出の深作健太、出演の西岡德馬、新納慎也、音尾琢真の4名が登壇。作品にかける意気込みを語った。新納慎也、音尾琢真はこの日が初対面。今回はダブルキャストで、実年齢でも同学年とあって、会見前から微妙な牽制が始まっていた…などと冗談を交えて始まった取材会は、終始和やかな雰囲気の中で行われた。
『スルース~探偵~』は「フレンジー」「ナイル殺人事件」などの映画脚本でも知られるアンソニー・シェーファーが1970年に書き下ろした戯曲。英国流のブラックユーモアとウィットの効いた会話によって構成され、あっと驚くトリックと逆転に次ぐ逆転の連続でサスペンスの醍醐味を存分に味わえる名作。映画化もされ、アカデミー賞に3部門でノミネートされるなど高い評価を得ている。チケットは好評発売中。
◆深作健太(演出)
僕自身大好きなこの『スルース』という作品を、十代の頃から尊敬している俳優の西岡德馬さん、そして新納慎也さん、音尾琢真さんという素晴らしい方々とご一緒させていただき本当に嬉しく思います。日々白熱した稽古場で、芝居が育って行くのを実感しています。西岡さんの相手役は新納さん、音尾さんのWキャストですが、演出や衣装だけでなく根本的なキャラクターまで全て違うものになっています。上演時間もかわってくるのではないかというくらい、それぞれが違ったアプローチをしているので、それにより西岡さんの芝居も変わっています。稽古場では、まるで二人の俳優さんの格闘技を見ているような感覚で見守っています。本番をぜひ楽しみにしていてください。
◆西岡德馬
この『スルース』は、70年代に映画を見てからずっとやりたいと思っていた作品です。ですが、なかなか実現されることなく年月がたってしまい、若い男マイロ・ティンドルの役はもう無理かなと諦め、ベテラン作家アンドリュー・ワイクの役でも実現させたいと思っていたところに、このお話をいただきました。神様からのプレゼントだと思っています。私の人生の中でこの役ができることが光栄と思うくらい熱が入っています。登場人物が少ない作品なので相手役が重要ですが、ぜひこの方でと思っていたお二人と今回ご一緒することができ、幸せです。新納さんの公演と、音尾さんの公演、どっちがお薦めかをよく聞かれます。そのどちらもお薦めです!違う作品だと思って楽しんでいただきたい。『スルース』とはずばり探偵という意味ですが、この舞台に探偵は出てきません。探偵はご覧いただく観客の皆様なのです。探偵のように推理して、想像しながら見ていただきたいと思います。
この作品はある女性を巡るお話で、それは私アンドリューの妻であり、お二人(新納・音尾)にとっては愛人でもあるのですが、この女性も出てきません。でも、舞台に出てこないこの女性の姿形がお客様の脳裏に浮かんで見えたら、この作品は成功だと思っています。ぜひ劇場に足をお運びください。
◆新納慎也(Wキャスト:探偵バージョン)
これまで大人数での芝居が多かったので、この作品のように少人数で、濃密な作品に出演してみたいと思っていたのです。でも、稽古の顔合わせの時に西岡さんが、僕が演じるマイロ・ティンドルをずっとやりたいと思っていたと聞いて、プレッシャーで逃げ出そうかと思いました(笑)。
Wキャストでの出演は初めてで、Wキャストってどんな気持ちなのだろう?と想像していましたが、こんな気持ちなんだと最近は実感しています。でも説明できません(笑)!現在稽古真っ最中で、毎日楽しくて叫びたいくらいで、細胞が生き生きしている感じがします。この傑作推理劇の引き込まれる展開を、ぜひ新国立劇場の濃密な空間で、同じ空気を吸いながら感じてほしいと思います。
ただ、僕の演じる探偵バージョンを見に来て「面白い」と思ってくれたお客さんは、音尾さんの演じるスルースバージョンも見に行けますが、その逆はできないのです……スルースバージョンが面白くても、もう探偵バージョンは観れない!ですから、後悔しないためにも探偵バージョンを先に見ておく方がいいと思いますよ(笑)。
◆音尾琢真(Wキャスト:スルースバージョン)
新納さんと同じく、僕もWキャストは初めてです。西岡さん、新納さんは先に稽古に入っていて、すごく不安なのでとりあえず台詞だけは早く覚えようと頑張って覚えたら、最初の稽古で皆さんにすごく褒めてもらえました!ところが、音尾は大丈夫だと思われたのか、逆に稽古日数を減らされてしまったのです。制作スタッフの皆さん、大丈夫じゃないです!濃密な稽古を僕にもさせて下さい(笑)!
新納さんは今日が初対面ですが、同じ役を演じる者同士、そして同じ歳ということでますますライバル心が芽生えています。お互いの本番を見るか、稽古を見るかなど探り合っていたら、西岡さんが『見ちゃえばいいんだよ!相手の良いトコ取りすれはいいんだよ!』とおっしゃっていました(笑)。
そんな西岡さんですが、僕と新納さんそれぞれを相手に稽古する超人であり、大きな器で受け入れてくれる懐の深い、怪物のような俳優さんです。必ず最高の作品になると思うので、ぜひご覧ください。
STORY
マイロ・ティンドルはある日、著名なミステリー作家であるアンドリュー・ワイクから呼び出しを受ける。実はマイロは、アンドリューの妻とひそかに付き合っていたのだ。不倫の追及を受けるものと思っていたマイロだったが、アンドリューは「浪費家の妻にはほとほと困り果てていた」「私にも素敵な愛人がいる」と切り出し、自宅の金庫に保管している宝石を泥棒に扮して盗んで欲しいと言い出す。宝石には盗難保険がかかっているため、自分は保険金と愛人を手にし、マイロには宝石と妻を与えるというのだ。虫の良い話だったが、金銭的に厳しいマイロは、完璧な犯罪と思わせるために作家のアンドリューが考えた筋書きどおりに、珍妙な手順で宝石を盗み始めるが……。
【作】アンソニー・シェーファー
【演出】深作健太
【翻訳】常田景子
【探偵バージョン】西岡德馬 新納慎也
【スルースバージョン】西岡德馬 音尾琢真(TEAM NACS)
【日程】2016年11月25日(金)~12月28日(水) 新国立劇場・小劇場
パルコ・プロデュース公演『スルース~探偵~』公演情報
2016年アーカイブ